警備員がキャリアアップする方法とは?取得すべき資格は?

キャリアアップを目指す警備員が取得するべき免許とは?

警備員になるには何か免許が必要になるのか気になる方もいるでしょう。結論からお伝えすると、警備員になるのに必要な「免許」はありません。ただし、警備員にも「資格」はあり、この資格はキャリアアップに役立ちます。

警備員として働くのであれば、キャリアアップをして年収・給与を増やしたいと考える方も少なくないでしょう。そこで、今回はキャリアアップのために必要なことや、役立つ資格をご紹介します。

警備員の収入ってどれくらい?

ひと口に警備員といっても、その業務区分や雇用形態、勤務日数、業務内容によって、収入が大きく変わってきます。例えば、正社員として雇用されている警備員の年収の目安をお伝えすると……

  • 警備員全体の年収:約300万円
  • 雑踏警備の年収:約220万円
  • 交通誘導の年収:約220万円
  • 機械警備の年収:約450万円
  • 施設警備の年収:約300万円

ちなみに、アルバイトの場合は、月に25日ほど勤務したと仮定して、年間で200~240万円ほどです。時給にすると1,000円前後となります。月に25日の勤務といえば、ほぼ正社員と同じになりますが、年収にすると100万円ほども差がでるため、警備員になるのであれば正社員を目指してみてはいかがでしょうか。そして、警備会社の正社員になり、キャリアアップをすれば給与や年収をさらに上げることができるでしょう。

関連:警備員の給与形態

キャリアアップするにはどうする?まずは実務経験を積もう

警備員としてキャリアアップするには、2つ必要なことがあります。それは、警備業務の実務経験を積むことと、警備系の資格を取得することです。

まずは警備員になって、実際に業務経験を積んでいきましょう。キャリアアップをして管理者になることを目指していればなおのこと、現場でどういう業務を行っているのか自ら経験して把握しておくことが大切です。なお、後に資格についてご紹介しますが、資格を受験するのにも実務経験は必要になります。

冒頭にもお伝えしたように、警備員になるのに必要な免許はありませんので、警備員未経験の方もすぐに警備員として働くことができます。警備業務に必要なことは、就職してから研修を受けられますので、未経験の方でも安心して警備業界に転職することが可能です。まずは「警備会社の求人一覧」から気になる求人に応募し、警備員になることを目指しましょう。

キャリアアップに役立つ警備系の国家資格はある

警備員としてキャリアアップするには「資格」も役立ちます。これは、警備業務に「資格取得者を営業所に配置しなくてはならない」という決まりがあるためです。例えば、センサーなどの機械を使って警備する機械警備業務を行っている場合、営業所には機械警備業務管理者を配置しなくてはなりません。こういった資格を取得しておくことでキャリアアップへの間口は広がります。

警備系の国家資格は3種類

■警備に関する資格

  • 警備員指導教育責任者
  • 機械警備業務管理者
  • 警備員業務検定

キャリアアップを目指すのであれば、この3種類の国家資格の取得を目指していきましょう。以下の項では、資格の情報や取得方法などを詳しく説明していきます。

警備員指導教育責任者

他の警備員に対して教育指導をしていくための資格です。警備業法には、警備業を営む事業所に必ず1人は、この警備員指導教育責任者という資格を持っている方を配置しなくてはなりません。

警備業者は、営業所(警備員の属しないものを除く。)ごと及び当該営業所において取り扱う警備業務の区分ごとに、警備員の指導及び教育に関する計画を作成し、その計画に基づき警備員を指導し、及び教育する業務で内閣府令で定めるものを行う警備員指導教育責任者を、次項の警備員指導教育責任者資格者証の交付を受けている者のうちから、選任しなければならない。ただし、当該営業所の警備員指導教育責任者として選任した者が欠けるに至つたときは、その日から十四日間は、警備員指導教育責任者を選任しておかなくてもよい。

出典:警備業法第22条第1項

上記にあるように「業務区分ごとに」警備員指導教育責任者を置かなければならないとしています。業務区分というのは警備業務によって分けられている区分のことです。

■警備業務の種類

警備業務の種類 業務内容の例
1号警備 施設警備業務・保安警備業務・機械警備業務など
2号警備 交通誘導警備業務・雑踏警備業務など
3号警備 輸送警備業務など
4号警備 身辺警備業務・緊急通報サービスなど

参考:「警備員の種類

区分ごとに警備員指導教育責任者の資格があります。都道府県公安委員会が実施する警備員指導教育責任者講習を受講して、修了考査に合格することで資格を得ることができます。

機械警備業務管理者

機械警備業務とは、赤外線センサーや振動感知センサー、監視カメラなどの機械を使った警備業務のことです。この機械警備を行っている警備会社の営業所には機械警備業務管理者を置かなければなりません。

機械警備業者は、基地局ごとに、警備業務用機械装置の運用を監督し、警備員に対する指令業務を統制し、その他機械警備業務を管理する業務で内閣府令で定めるものを行う機械警備業務管理者を、次項の機械警備業務管理者資格者証の交付を受けている者のうちから、選任しなければならない。

出典:警備業法第42条第1項

機械警備業務管理者は、対象となる施設において防犯カメラやセンサーを使った警備をしたり、警備機械機器の維持管理を行ったりします。こちらの資格も警備員指導教育責任者と同じように、都道府県公安委員会が実施する警備員指導教育責任者講習を受講して、修了考査に合格することで資格を得ることができます。

関連:機械警備業務管理者とは

警備業務検定

警備業務検定とは、警備業務に関する知識とスキルを一定程度持っていることを認定する資格のことで、国家資格になります。警備業務の実施の適性を図るため、公安委員会が警備員やこれから警備員を目指している方に知識やスキルに関する検定を行っています。警備業務検定は以下に紹介する6種類に分けられます。

  • 施設警備業務検定
  • 交通誘導警備業務検定
  • 雑踏警備業務検定
  • 貴重品運搬警備業務
  • 核燃料輸送警備業務検定
  • 空港保安警備業務検定

施設警備業務や交通誘導警備など、それぞれの警備業務を行う際は、この警備業務検定を持っている方を1人、営業所に置かなければなりません。この6種類の検定にはそれぞれ1級と2級があり、1級は1年以上の実務経験が必要となりますが、2級はまだ警備員でない方も含め、どなたにでも受験資格があります。この資格は、特別講習を受講する、または公安委員会が行う直接検定を受検することで取得できます。

警備業務検定の6種類のうちに該当する業務を行う方で、キャリアアップしたいのであれば、早い段階で該当する種類の業務で2級の検定を受けてください。そして、取得できたら実務経験を積み、1級の取得を目指しましょう。

関連:警備業務検定の種類と内容について

今回は警備員のキャリアアップについてお伝えしました。警備員として働き、キャリアアップしていくには「実務経験を積むこと」、「警備系の資格を取得すること」の2つが必要になります。

警備員は40代や50代など中高年で未経験からでも活躍でき、キャリアアップも目指せます。キャリアアップするには実務経験が大切になるため、警備員に興味があるなら、なるべく早いタイミングでの転職をおすすめします。まずは警備員として実務経験を積み、キャリアアップを目指していきましょう。

警備員として働くのに免許などは不要で、警備会社の求人に応募して面接を受け、合格すれば警備会社に所属できます。それぞれの警備会社で行っている研修を経て、警備員として現場で働けるようになるという流れです。警備員になるには、まずは警備会社の求人を探しましょう。こちらの「警備の求人一覧」から探せますので、ご活用ください。

この記事を書いた人

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株式会社ミライユ
ドライバーズワーク編集部

株式会社ミライユは2014年に創業、少子高齢化・労働力不足といった社会問題を雇用創出や就職支援を通じて解決すべく、社会貢献性が高い業界・領域に特化して転職支援サービスを展開している企業です。中でもタクシー業界、運送・配送業界、警備業界、10代20代の転職市場に精通しています。