日本の職業の中には、就職するために一定以上の身長を求められる職業が存在します。例えば、男性が警察官や消防士として働く場合、おおむね160cm以上という基準が設けられています。自治体によっては制限がない場合もありますが、体格の問題で志望する仕事に就けないというケースもあります。では、警備員になるために身長の制限はあるのでしょうか?今回は、警備員に体格は関係があるのかどうかをお伝えします。
警備員の体格は大きくても小さくても問題無し
警備員は、身体の大きい人が有利というイメージを持っている人は多いことでしょう。ですが、結論から言えば警備員となるために体格は関係ありません。体格が大きくても小さくても、警備業界で活躍することができます。警備員に身長制限がないのは、厚生労働省の所管する「男女雇用機会均等法」が定められているためです。この法律によって、理由無しに「募集・採用にあたって、労働者の身長、体重または体力を要件とすること。」は違法となっています。
飛行機のキャビンアテンダントのように安全上の理由で身長制限を設けているケースもありますが、警備員を募集する際、身長を制限することに合理的な理由はありません。要約をすると、身長や体重といった体格に関係なく警備員として働くことができるのです。とはいえ、警備をする場所や業務内容によっては、体格の大きさや小ささが役に立つケースもあります。警備業界を志望する人であれば、自分の体格に適した勤務場所や業務内容を覚えておきましょう。
体格の大きい方が良いケース
自動車や歩行者を誘導する交通警備員
体格の大きさが役立つ警備として、交通誘導の警備員が挙げられるでしょう。これは、警備員の存在を自動車の運転手や歩行者に気づかせる必要があるためです。交通誘導をしている警備員の存在に気づかないと、交通事故につながる可能性が高くなります。体格の大きい人の方が目立ちやすく、比較的に交通誘導の警備に向いていると言えるでしょう。
要人を危険から守る身辺警護員
不審者や襲い掛かる暴漢を制圧するためには、大柄な体格を持つ人の方が有利となります。そのため、ボディガードやSPのような身辺警護員も、体格の大きい人の方が向いているでしょう。身体が大きければそれだけ不審者や暴漢を威圧できるうえ、物理的に守れる範囲も広いことで、刃物や銃弾からも要人を守りやすくなります。ボディガードを依頼する人の中には、「屈強な人に守ってもらいたい」という要望する人も多く、身辺警備を担う警備会社によっては体格の大きなスタッフを在籍させていることもあります。
体格の小さい方が良いケース
小さい子供やお年寄りを案内する施設警備
デパートやショッピングモールのような場所では、スタッフにも謙虚さや物腰の柔らかさが求められます。また、商業施設は子供や高齢者の人も多く、体格の大きさから相手を怖がらせてしまうこともあります。そのため、先に挙げた身辺警護員とは反対に、身体の大きさが働くうえで不利となってしまうこともあるのです。施設警備においては、小柄な人の方が有利となるケースも少なくないでしょう。
大勢の人の対応が必要な雑踏警備
イベント会場の警備を担う雑踏警備員は、お客様を会場まで誘導したり、迷子の対応をしたりといったように大勢の対応をする必要があります。大柄で屈強な人よりも、小柄な人の方が相手を威圧しにくいぶん上手に接することができるでしょう。とくに、男性よりも女性の方が体格の小さい人が多く、様々なお客様の対応が必要となる花火大会やコンサート会場のような場所においては、女性警備員の需要も高まっています。
体格以外に警備員の条件がある
先にご紹介した通り、警備員の採用には身体的な条件はありません。それ以外のところでは例えば以下のような条件が設けられています。
- 18歳未満の場合
- 過去に禁固以上の刑または警備業法の規定に違反し罰金刑となり処分から5年経過していない場合
- 直近の5年間で警備業法に違反した場合
上記に該当する人は、警備員として働くことができないため注意してください。警備業界は身体の大きさに関係なく採用されるほか、スキルや経験がなくても転職がしやすい業界です。40代50代など中高年で未経験でも活躍しやすい特徴がありますので、転職の際にはぜひ警備業界も検討してみてください。これから警備の求人をお探しならセキュリティーワークで警備の仕事を検索していきましょう。