警備員にも複数の国家資格がありますが、その1つに交通誘導警備業務検定があります。資格はスキルアップにもつながりますので、交通誘導を行っている方は取得を検討してみてください。なお、検定には1級と2級があり、それぞれ学科と実技の試験があります。
交通誘導警備には、交通誘導警備業務検定として1級検定と2級検定があります。
この検定には、高速道路で使えるものと一般道路などで使えるものと2種類あるので注意してください。
取得の流れとしては、
2級を取得 → 1年後の実務経験を積む → 1級を取得
となります。
交通誘導警備の資格取得の条件は、2級検定を取得する場合、条件はありませんが、1級検定を取得する場合は、必ず1年の実務経験を積む必要があるので、気を付けてください。
また、取得方法についても、2つの方法があり、
1、特別講習を受講する方法
2、公安委員会が行う検定を直接受験する方法
以上の2つになります。
学科が7時限、実技講習が5時限、修了考査が4時限、計16時限あります。
(※1時限=50分あります)
手数料は、32,400円(税込)になります。
※1級・2級検定のいずれも時間や費用は変わりません。
《住んでいるところが東京都の場合》
警視庁の専用電話番号に事前に申し込みます。
次に書類を提出し、手数料の納付を行っていただきます。費用は、14,000円になります。
学科・実技試験とあり、学科に合格した者のみが実技試験を受けることができます。
採点方式は、100点持ち点の減点式で、90点以上の方が合格となります。
1、2どちらも費用がかかりますので、資格取得支援のある警備会社に入社すれば、資格に関する費用を負担してくれるので、参考にしてみてください。
直接受験する場合は、学科や実技試験もご自身で勉強が必要です。以下の項目が出題されますので、勉強する際の参考としてご活用ください。
・警備業務に関する基本的な事項(警備業務、交通誘導業務、警備員としての心構え等)
・法令に関する事項(憲法、刑法、刑事告訴法、警察官職務執行法、遺失物法など)
・道路交通法や交通誘導警備業務に関する専門的知識
・交通誘導警備業務用資機材の機能・使用法及び管理方法に関する専門的知識
・人または車両に対する合図の方法
・合図実施の留意点、位置の選定、工事現場の出入口や対面通行における交通誘導
・警察機関等への連絡の重要性(事故発生時における対応法)
・救急法の意義と重要性、負傷者等の搬送及び応急救急手当の概要
・警戒棒の取り扱い、基本的な護身術
・消火器等の使用方法、避難誘導の基本事項、警察官への引継ぎ、事故の発生時における二次災害防止方法について
・小籏や大旗、誘導灯等を使用した徐行、停止、進行及び幅寄せの誘導
・合図の基本動作、警笛及び素手の合図による車両の後進誘導要領
・警察機関等への連絡要領
・三角巾使用の止血方法、負傷者の搬送方法
・警戒棒の基本操作、基本的な護身術
・交通事故発生における二次災害の防止方法
問題の詳細は、警視庁の公安委員会が実施している直接検定の受験方法をご参照いただくか、警備協会に問題集が売っていますので、そちらをご購入ください。
学科試験に関しては「警備員等の検定等に関する規則」の第6条第2項と第5項を確認しておきましょう。
2 学科試験は択一式の筆記試験により行うものとし、その合格基準は九十パーセント以上の成績であることとする。
5 検定においては、学科試験を実技試験の前に行うものとし、学科試験に合格しなかった者に対しては、実技試験を行わない。
出典:警備員等の検定等に関する規則第6条
合格基準は90%ということが分かります。1級と2級のいずれも、学科試験の出題数は20問です。そのため、単純計算で18問正解する必要があります。
また、学科試験に合格しなければ、実技試験に関しては受験すらできないことには注意が必要です。
特別購入を受ける場合には、申込みの際に受講票などと一緒にもらえます。もし直接公安委員会で受験するのなら、一般社団法人全国警備業協会や各都道府県の警備業協会などで購入しておきましょう。
手に入れたらまずは一度目を通しておきましょう。読んだものをノートや単語帳にまとめようとする方もいますが、まとめるのには時間がかかってしまいます。効率良く勉強するのなら、軽く目を通す、簡単なメモを残す程度に抑えておきましょう。この後に紹介しますが、学習した内容をまとめるよりも問題集を解くのに時間を割くことをおすすめします。
一般社団法人全国警備業協会や各都道府県の警備業協会などで、問題集を購入し、それをひたすら解いていきましょう。先にお伝えしたように、合格基準は90%です。とにかくミスなく解答することがポイントとなります。問題と答えを覚えてしまうほど何度も何度も問題集を繰り返すと良いでしょう。出題される問題の傾向としては、過去問や問題集の問題が使われる傾向ことも少なくありません。あくまでも傾向なので丸暗記は避けるべきですが、暗記してしまうほど問題集を解いておくと良いでしょう。
また、交通誘導警備業務検定2級の場合には、スマホアプリの問題集もあります。こちらも併せて活用してみてはいかがでしょうか。
問題集をひたすら解いていく方法をおすすめしましたが、毎回頭から順番に解いていく必要はありません。効率良く勉強していくために、自分の苦手な問題・偶然正解してしまった問題を中心に勉強していきましょう。方法としては一度全部の問題を解き、間違えた問題や不安な問題にマークをつけたり付箋を貼ったりしておいて、2回目は印のある問題だけを解いていきます。その際も1回目と同様に印をつけていき、3回目には2回目で印をつけたものだけを勉強していきましょう。最終的に印がなくなったら、再び頭から全部の問題を解き直してみてください。このように繰り返し繰り返し問題を解き、頭に叩き込んでいきましょう。
実技試験に関しては「警備員等の検定等に関する規則」の第6条第3項と第4項を確認しておきます。
3 実技試験は、公安委員会の指定を受けた警察職員が行うものとする。
4 実技試験の採点は別表第一及び別表第二に定める能力について減点式採点法により行うものとし、その合格基準は九十パーセント以上の成績であることとする。
出典:警備員等の検定等に関する規則第6条
実技試験の場合にも合格基準は90%ということが分かります。減点方式ですので、最初に100点を持った状態で、何かミスをしたらそこから点数が引かれ、試験修了時に90点以上なら合格になります。
学科試験と同様に、特別購入を受ける場合には申込みの際に受講票などと一緒にもらえます。直接公安委員会で受験する方は、一般社団法人全国警備業協会や各都道府県の警備業協会などであらかじめ購入しておきましょう。
まずは大まかな内容を頭に入れることを目的として、実技資料に目を通します。概要が頭に入ったら、続いてセリフを覚えていきましょう。実技資料に書かれた文章を一言一句間違えずに覚える必要はありません。しかし、ある程度セリフが頭に入っていないと練習の効率も悪くなってしまうので、まずは流れとセリフを覚えましょう。
警備会社で働いている場合には会社や検定取得者、先輩に頼み、何度も練習しましょう。それ以外でも自分で、何度も繰り返して練習してください。その際は頭の中でイメージするだけでなく、恥ずかしがらずに声を出して本番同様に練習していくと良いでしょう。
交通誘導検定は、持っているとそれだけで資格手当をもらえる警備会社もあるほど警備会社では重宝される存在です。
また、交通誘導検定では実演もしますので、基本的な護身術が身につき、応急処置の方法なども学ぶことができます。
今回は、交通誘導警備の資格についてご紹介しました。
私どもの扱っている求人の中にも、交通誘導の検定資格を持っていると資格手当がもらえるものもいくつかありますので、持っていない方もぜひ、この機会に取得してみてください。交通誘導資格を取得しておけば、資格手当の他にも、入れる現場や役職など、ご自身のキャリアアップに必ず繋がるはずです!